損をしない為にも！交通事故示談で抑えておきたい3つのポイント

示談交渉時に抑えておきたい3つのポイント

怪我があるのなら人身事故として申告すること

交通事故と一括りにしても、事故の内容を大きく2つに分けることができ、それらは全て、実際にどの程度の被害や損害が発生したかによって判断が行われます。

事故によって自動車や標識など物品だけが損壊した場合には物損事故となり、1名でも事故に巻き込まれ怪我を負った人がいれば、それは人身事故として処理されます。

物損事故であれば、損害を受けた人に対して事故の過失割合に応じた損害賠償が請求されるだけで完了しますが、人身事故によって被害者が何らかの怪我を負った場合には、被害者側の過失割合を差し引いた上で、具体的な被害額や治療に必要な費用、慰謝料などの形で費用の支払いが発生します。

このことからも、特に過失割合が低い被害者側として人身事故に巻き込まれてしまった場合には、交通事故示談という手法を選んだ場合でも、必ず怪我の存在を医療機関で診察を受け診断書などの形で明確に表した上で交渉を行うようにしましょう。

これを示談の段階で行っておかないと、後々で申告しても認められなかったり、怪我の部分の補償が受けられないなどのデメリットを被る恐れもあります。

交渉は弁護士に任せるのがベスト

交通事故示談というと、イメージとしては交通事故の被害者と加害者双方だけで事故処理や被害額の支払いなどを行うという印象がもたれがちですが、実際にはこの交渉の段階で、第三者として弁護士などを起用しても構いません。

特に、交渉事がどうしても苦手な方や、双方の主張が食い違いやすい特殊な交渉の場となる交通事故示談の場面では、弁護士など法律のプロに一任した方が、交渉をより有利に進めることができるばかりか、本来受け取れる慰謝料の額にも大きな違いが現れる可能性も十分に考えられます。

また、不測の事態を未然に防ぐためにも、交渉は自ら行わず、弁護士など専門家を活用した方がよりベストな方法となるでしょう。

事故で被った怪我は症状固定を意識すること

交通事故で何らかの怪我を負った場合、その治療に対する費用を加害者側や加害者が加入する自動車保険の取り扱い保険会社に対して請求することができます。

ところが、骨折や外傷など明確に症状が視認判断できる症状であれば問題ありませんが、例えばむち打ち症など目に見えない症状を負ってしまった場合、治療費用の請求を行い支払いを受けた後で症状が悪化してしまったなどの問題が発生する可能性が考えられます。

この時、既に治療費を受け取ってしまっているため、再度の治療に必要な治療費を請求しても支払われない可能性が高くなります。

このため、事故で何らかの怪我を負ってしまった場合には、安易に相手側に対して慰謝料や治療費を請求せず、まずは主治医など医師による精密な診断をしっかりと受けると同時に、症状固定についても主治医と話し合うことを意識しましょう。

症状固定とは、特定の治療を受けても症状が改善していかない経過のことを指す言葉で、症状の進行具合のどの部分で症状固定と断定するかについては診察を行った医師に委ねられていることから、この点についても主治医と綿密な話し合いを行い、診断書の作成を実践しましょう。

交通事故示談は素人では困難な交渉事

交通事故に何らかの形で巻き込まれてしまった場合、特に加害者側の要請によって示談という交通事故処理を選択するケースが少なくありません。

ところが、警察や裁判所など公的機関による事故認定や判断を伴わない交渉事は、しばしば双方の意見が食い違ったり交渉自体が難航してしまう可能性が非常に高く、この場合、思うように慰謝料や損害賠償を受けることができなかったという状態に巻き込まれる方も少なくないのが実状です。

また、交渉の善し悪しによって慰謝料の額などが大きく増減しやすいのも示談の特徴の1つなので、本来受け取れる額よりも大きく減額されることがないよう、示談を行う際には単独で行おうとはせず、弁護士など専門家を通じた交渉や相談を上手に活用するのが賢い方法です。

示談交渉で正しく補償が受けられるか或いは損をしてしまうかは、あなた自身の行動にかかっているといっても決して過言ではないのです。